第5章
人間の絆こそ心のエネルギー
──美しき情の世界──
同僚と上司に対する親愛
この章の最後に「同僚と上司」をもってきたのは、一番長く結ばれている絆は職場の仲間だからです。職場の仲間といえば同僚と上司です。友人でもなければ肉親でもありません。
人生の大半をともに過ごすといえば夫婦の場合が多いのですが、その夫婦以上に毎日顔を合わせて、生涯の大半を過ごすのが会社の同僚です。入社してから定年までの約三十数年を、毎日のように顔を合わせて過ごします。
ふり返ってみますと、会社の仲間と共有した時間の長さに、遠い月日をともに歩んだという感慨をおぼえるに違いありません。
仕事を天職と考え、いつも仕事に関して技術を向上させようという熱意をもち、自分を取り巻く人に対しては、かぎりない優しさを失わず、人を裏切ったりしないという誠実さで仲間に対し、いついかなるときにも、人間に対しては親愛の情を胸に秘めている人こそ、同僚にも上司にも愛され、そして部下には慕われる人ということになります。
いつの場合も絆が大切であるということを考えて、他人に対する優しさを失わずに生きていくようにしたいものです。