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あとがき

こうして法源誕生からの歳月を振りかえると、あらためて「天」の偉大さに気づかされる。すべてが、天の救済の青写真で用意されていることばかりであった。私はただ、その敷かれた軌道を走っているだけである。

つまずき、ぶつかり、泣き、叫び、行きづまり……、人から誤解もされ、かといって山の中に隠れるわけにもいかず、「なぜ、こんな大変な人生を歩まなくてはいけないのか」と、そういう想いがよぎる日も、少なくなかった。これは他のだれにも、わかりえぬことであった。

ただ、「天声」の命じるままに、ってきた。

そうして、少しずつ少しずつ私自身のなかに、天意が吸収されていった。そして、だんだんと天意を受けとめる人々、人間法源が大勢誕生していった。賛同者が増えていった。こうして人類救済の輪が、広がっていった。

とにかく、天声のままに、歩んでいくだけである。みなさんも、人間法源としての道を、そのまま歩んでいただきたい。

余談だが、ハビタットⅡ(第2回国際連合人間居住会議)に出席した。このときに、イスタンブールの路上でスモモをかじった。ボスポラス海峡は、幼いころの瀬戸内の海によく似ていた。あの夏の日が想い出されるようでもあった。たおやかな波間に映える宮殿を見ながら、法源誕生を告げた「天声」と、人類の歴史が重ねあわされたように感じた。

本文で少しふれたが、仏陀が悟りを開いたブッダガヤの菩提樹は、紀元前3世紀にアショーカ王の王女サンガミッタによってセイロンにもたらされたが、この樹齢2千年の菩提樹の若木を頂いた。この木が、人類の成長を見守ってくれることだろう。

 

平成8年9月

著者

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